根管治療(歯の根の治療)
根管治療とは?
根管治療とは、歯の中にある歯髄(神経)の通っている管(根管)を削り、最終的に根管充填剤と呼ばれる薬剤を詰め、新たな細菌感染を防ぐ治療です。
個々人によって根管の形態は異なるため、時間をかけて地道に治療する必要があります。どんなに美しく、出来の良い被せ物(クラウン)をしたとしても、根管治療が適切に行われていなければ、歯は長持ちしません。きちんと根管治療が出来ていないと、根の先端が感染しまい、痛みが出てしまうからです。そのような状態にならないよう、丁寧な治療が求められます。
当院の根管治療の3つ特徴
当院では以下の3つを特徴としています。
- CTスキャンを用いた精密検査
- 拡大鏡を用いた、精密な細菌除去
- 根管充填剤を用いた、感染予防・再発防止
根管内は肉眼では直接見ることが困難です。難易度の高い根管治療を、より精密で確実に行うために、状況に応じてCTスキャンの撮影、拡大鏡での治療を行っております。
根管治療で重要視していること
初めての根管治療を成功させることは、非常に重要なことになります。なぜか?というと、再治療になると根管治療の成功率が低下してしまうからです。
拡大鏡を使用した精度の高い治療
肉眼では確認できない部分に対して、拡大鏡を用いて治療を行います。勘だけに頼らず、確実性の高い治療を選択します。
ニッケルチタンファイルを使用する
根管治療では歯の神経を除去するときに「ファイル」と呼ばれる器具を使用します。通常のファイルはステンレス製のものを使用しますが、当院では柔軟性が高く、歯根の奥まで届きやすいニッケルチタンファイルを使用しています。
曲がった根管や複雑な根管にも適応しやすいうえ、根管治療をよりスピーディーに行ることにもつながります。
MTAセメントを使用し、再感染を防ぐ
MTAセメントを使用するメリットは4つあります。
- 封鎖性が高く、細菌の侵入を未然に防ぐ。
- 生体親和性が良く、安全性が高い。
- 歯・骨の再生を促してくれる。
- 殺菌性が高く、多くの細菌が死滅する。
- 硬化性が高く、非常い硬いので歯根破折の防止に繋がる。
- 親水性が高く、多少の水分が残っていても硬化してくれる。
MTAセメントを使用することは、感染源が侵入しないようにすることが目的です。従来の樹脂でできたガッタ・バーチャポイントと呼ばれる充填剤では封鎖性が保たれないというウィークポイントがありましたが、封鎖性・生体親和性に優れたMTAセメントを当院では使用しています。
再根管治療
初めての根管治療が最も大切なのですが、治療状況・治療後のケアなど複合的な理由で、再治療が必要になる場合があります。
再根管治療が必要になる症状
- 治療後、期間が経過しても、違和感が残っており、思い通りに咬めない
- 痛みや腫れが再発してしまった
- 痛くはないが、治療した歯の歯肉から膿が出ている
再根管治療が必要になる原因
- 根管の汚れの取り残し
- 根管治療時の根管充填が不十分
- 痛くはないが、治療した歯の歯肉から膿が出ている
- 見落としによって、未治療の根管があった
- 歯冠(被せ物)が合わず、隙間から細菌感染してしまった
- 歯冠(被せ物)の横から新しい虫歯が出来て細菌感染してしまった
- 歯根(歯の根っこ)が割れてしまった
再治療の成功率は初めての根管治療に比べて成功率が低くなると言われています。理由としては、根管内にバイオフィルム(プラーク)に包まれた充填剤がこびり付いて取りにくく、感染源の取り残しが生じやすいためです。
以上のことから、初めての根管治療が最も大事なのです。
しかし当院は、妥協なく再治療に取り組み、汚れた充填剤を隅々まで取り除き、再発を防ぐよう治療に取り組みます。
根管治療後の処置について
コア(土台)
根管治療が終わった後は、コア(土台)を立てる必要があります。土台がないと、歯冠修復(被せ物治療)をするときに、きちんと装着されずに、重みで歯根(歯の根っこ)にひびが入ってしまったり、折れてしまったりします。
そうすると、せっかく歯根を残したのに抜かなければならなくなってしまうのです。そういったことを防ぐためにコア(土台)を立てて、その上にクラウンを被せます。
クラウン(被せ物)
コアを立てたあとは、クラウンを被せます。クラウンには種類があり、保険のクラウンや自由診療のセラミッククラウンがあります。
適合性の高いクラウン=ピッタリ隙間なくできているクラウンを指します。適合性が高いことによって細菌の侵入源限りなく少なくし、再度細菌に感染しないような予防的観点でも重要です。
メンテナンス
定期的なメンテナンスはすべての治療に通じます。口腔内を清潔に保つことは、予後を長持ちさせる観点、病気にならないように予防する観点でも重要です。当院では歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を行っています。
抜歯と宣告されてしまっても諦めないでください
抜歯を宣告されてしまっても諦めないでください。再度検査をしてみることによって、歯を残せる可能性を見いだせる可能性があります。たとえ歯根破折だっだとしても可能性はあります。抜歯と言われてしまったけれど、残せる方法はないかを模索したい方は、当院へご相談ください。仮に抜歯となったとしても、自家歯牙移植と呼ばれる自分の歯を移植する方法もありますので、諦めないでください。
根管治療をお考えの方へ
根管治療は放置する期間が長いほど、歯を残すのが難しくなります。だからこそ、痛みや違和感を感じたら歯科医院で治療を受けましょう。また、根管治療の再治療など歯を残すことが難しい場合があります。
当院では他院で残すのが難しい歯を残す治療をしています。それを意図的再植術と言います。
根管治療が必要な方も、歯を残せないと言われてしまった方も、当院であればお力になれるかもしれません。お気軽にお問い合わせ下さい。