歯の再植について
歯の再植をする【意図的歯牙再植術】とは?
歯の再植(意図的歯牙再植術)は、問題を抱えている歯を一度抜歯し、問題となる部分を口腔外で処置した後に、元の場所に再度戻すことによって、歯の延命を図る処置のことを言います。他の医院で「もう残すことは出来ない」と言われてしまった方への、歯を残す“最終手段”として行う治療です。
このような方に適応する治療です
歯根が破折してしまった場合
歯根が破折してしまった場合は、概ね抜歯すること余儀なくされてしまいますが、どうしても残したいという要望があった場合、歯を一度抜き、破折してしまった部分を接着で補修した後、元に戻します。適応症としては、上の前歯や小臼歯部に適しています。
歯根の側面に穴があいてしまった場合の補修
歯根の側面に穴が空いてしまい、そこから骨の部分に感染が及んでいる場合は、通常の根管治療では修復が難しいため、一度抜歯を行い、穴を特殊な材料でリペアしてから歯を元の位置に戻します。
治療が難しい根管治療
根管治療は通常根管内から治療を行うのですが、根管内からの治療が不可能な歯で、解剖学的理由などで、外科治療が行えない場合に行います。一度抜歯をし、根管の先端にある病変を取り除き、歯根の先から根管充填材と呼ばれる薬剤で歯根を塞いでいきます。
症例
Case1:50代 女性
術前
上顎の第二小臼歯が垂直破折のため他院にて抜歯と言われたが、保存を強く希望され、来院されました。歯根は真っ二つに完全に割れていましたが、スーパーボンドによる接着再植法による保存を試みました。
術中
スーパーボンドによる接着後、エムドゲイン(歯周組織再生材料)を塗布し、再植を行いました。
術後
その後、メタルコア(支台装置)を装着し、連結されたセラミッククラウンを 装着しました。
歯の再植をお考えの際は、当院へご相談ください
歯の再植は、誰もが出来る治療ではありません。再植を行ってきた経験値と技術が必要なります。歯を抜かなければならない、インプラントや入れ歯ではないと無理と言われた歯でも当院であれば残せる可能性はあります。セカンドオピニオンとして、当院を有効活用し、大切な歯をなるべく残せる選択肢を持っていただきたいと考えています。